間抜けなピザトースト

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間抜けなピザトースト

1 朝。 トントントン、と小気味好い音に目を覚ます。 ベッドの上で思い切り伸びをすると、お腹の上で眠っていたケイマが素早く飛び降りた。 首輪の鈴がチリンと鳴った。 「いきなりナニよ?」 と言いたげな目配せを一つすると、ケイマは鈴を鳴らしながらキッチンへ消えた。 「お、おはようケイマ。てことはアイツも起きたんだな?」 いつの間にか止まっていた包丁の音の変わりにタイチの声。きっとそのうち、 「アサメシーッ!」 って呼ばれる。 いつもの朝。 今日は呼ばれる前に起きようか? それとも呼ばれても二度寝のフリをしちゃおうか? そうして起きるシチュエーションを何パターンか考えている内に、いきなり勢いよく布団をひっぺがされた。 いつの間に寝室へ入って来たんだ!? 唖然としていたアタシを見ながら、タイチは布団を抱えた手とは逆の手でアタシを引き起こした。 「あぅ。」 「あぅ。じゃない。アサメシできたよ?食べよう。」 「ふぁーい。」 あくび混じりの返事をして、再び丸くなろうとするアタシの腕を掴んだままのタイチは、そのままベッドから引き摺りだすと、身体をガクンガクン揺さぶりながら ダイニングへ牽引した。 今日はこういうパターンか…。
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