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……彼女には魂の声を感じ取ることができる。だからこそ、私の魂の異常さに気づいたのであろうし、何も言わずとも、私の魂がどちらを望むか、彼女には分かるのだろう。……しかしそのどちらも、しっくり来なかった。私はただ、首を横に振った。私の魂は、二つの選択肢の間で絶えず揺れていた。すると彼女は、懐から青い宝石のついたペンダントを取り出すと、私に手渡した。 「それに強く願えば、再びこの花園に来れるでしょう。答えが決まったら、来てください」 そうして、彼女は去っていった。おそらくは再び、花を供えに行ったのだろう。  思えば、この墓に名前が無いのは当然のことのようだ。私はそもそも名前を持たず、勇者などと呼ぶものも、今ではおらぬ。ついでに言えば、声が上手く出ぬのも、長い間発声というものをしなかったためであろうか。  それより、考えねば。選ばねばならぬ。私の、この身の行く末を。
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