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もはや、この墓地でどれだけの時間を過ごして来たのか、私には皆目見当もつかぬ。そもそもここがどこにある墓地で、自分が何者なのであるのかも、未だ分からぬままだ。
鉄の鎧に身を包んだ私の肉体は、熱を失っている。心臓の一切の拍動も、迸る血流の気配も、感じられぬ。
やはり、私は既に骸と化しているようである。
考えれば考えるほど妙な話だ。心臓が動かず血の巡らぬ骸が、一体どうして物の見聞きをしたり、体を動かしてみたり、このように考え事をすることができるのであろうか。一体私は、今どのような状態にあるのだろうか。ここに来る以前の記憶が極めて曖昧であることが、どうにも不気味である。
……次に彼女が来るときを待つとしよう。こう分からぬことが多くては、おちおち腐ってもいられぬ。
この墓地がどういったところであるか、まずは語らねばなるまい。
第一に、ここは大変暗く静かだ。夜のまま時間が止まっているようで、空には星や月が輝いているが、その他に光を放つものはない。しかし、ただ不気味というわけでもなく、奇妙な安息を感じる。
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