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GAME OVER
ペンダントの光に包まれ、私はあの花園にたどり着いた。彼女は、仮面を外した姿で私を待っていた。
もはや望まぬ。
人々は私を恐れたがため、殺した。それは、私にもよく分かる。なぜならば、不死身の怪物を誰よりも恐れているのは、私自身であるからだ。
私は、両手を広げ、無防備な姿を晒して見せた。
「眠りを望むのですね。分かりました」
彼女は、懐から仮面を取り出すとおもむろにそれを被る。そして、右手に持った剣を構え、一歩ずつ、私の方へと歩み寄ってくる。
あの美少女が、このように剣を振るうとは。この世は、腐ってしまっているのか。そしてそれを望む、私もまた、腐っている……。
「おやすみなさい。どうか、安らかに」
彼女は高らかに剣を振り上げ、私を斬りつけた。私は鎧を着ているというのに、なんの抵抗もなく、である。なるほど、魂だけを、切り崩したというわけか。
私の身体は、たちまち骸らしく力を失っていった。
これで良い。これで、良かったのである。
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