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 ……今のは、夢であろうか。骸が、そのようなものを見るだろうか。  人々への憎しみから、新たな魔王として現世に君臨する私。  絶望のために、自ら永遠の眠りを選ぶ私。  どちらも私であった。  実際に、私がそのようになるかは分からぬ。が、しかし憎しみも、絶望も、私の心に住み着いた感情である。  しかしながら、そのどちらを取るのも、私が望むところではない。死んでなお、生まれ持った罪に翻弄されるなどは、哀れが過ぎるではないか。  墓守の乙女は……彼女は、選択肢は二つだと言った。しかし……。 「安らかな眠りをお望みですか?」  彼女。「ノエルの墓守」と名乗った娘。  ふと、彼女のあの美しい顔が私の脳裏に浮かんだ。  ……何のために生まれ、何のために生きるのか。  墓守とは、とどのつまり何者であるか。  私はついに意を決して、ペンダントに願った。  「お待ちしていました」 彼女は仮面を外した姿でそこにいる。まさしく女神のような美しさで。  そうだ。夢の中で見たのと同じ光景である。 「……さあ、お選びください」     
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