神殿の事情

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「はあ……はあ……」  レイアスは呼吸が乱れ、戦士の強さに驚嘆していた。  自惚れていたわけでも相手を過小評価したわけでもない。時代を超えてなおこの世に留まる執念を持つ戦士が弱いわけがない。しかし、自分の剣術を受けながら召喚術で呼び出した英霊たちの攻撃でも斃れないミイラ戦士の戦いぶりは敵ながら賞賛したいものだった。 「レイアスさん!大丈夫ですか!」 「ああ」  援護するリーゼに彼は気丈に振舞う。  その彼女もかなり疲労している。   (余程名のある戦士なんだろうな……)  ミイラ戦士に賛辞を送り、英霊たちに相手をしてもらいながら彼は対策を考える。  戦いの音や気配に惹かれたスケルトンや幽鬼も集まってきており、さらに人間と違って彼らには疲労がない。長引くほどこちらが不利になるのでなんとかして戦士に致命傷を与えなければならなかった。 「レイアスさん、私に考えがあります!」 「どんな魔法?あまり強いやつは使えないよ?」  強大な光魔法を発動させれば遺跡が崩壊しかねない。  レイアスはそこを心配したが、リーゼの作戦はまったく予想外のものだった。 「そんなこと……できるだろうか……」     
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