神殿の事情

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「お願いします!皆さん、少し手を貸してください!」  付き添いの神官たちにリーゼは声をかけた。  彼らに陣を組ませ、祝詞を唱えさせると光り輝く障壁が出現する。 「憎い……憎いぞ……」  召喚された英霊たちを打ち倒しながら古代の戦士は言った。  目の前の戦士が次々と新しい敵を呼び出すことに苛立っていたが徐々に勝利が近づいているのもわかった。敵は徐々に生命力が弱くなっているが自分はどういうわけか痛みも疲労も感じない。理由はわからないが古代の国で騎士団長を務めた男は敵を殲滅できることに喜びだけを感じていた。 「む……貴様ら……」  侵入者たちが集まって魔法の障壁を作ったのが彼にはわかった。 「無駄な足掻きを……」  英霊たちを一刀両断し、障壁を斬りつけると予想外に硬かった。 「侵入者ども……今すぐ打ち滅ぼしてくれる……」  幾度も剣を振ると障壁にヒビが入り、それを形成している神官たちが苦しむ。  最も強い波長を放つ戦士が何かを呼び出しているのが彼にはわかった。何者だろうと負ける気はしないが放置する理由もない。力をこめて剣を振り下ろすと光魔法の障壁がガラスのように砕け散った。 「皆、もういい!古の英霊よ!俺に力を貸してくれ!」  新しい気配を感じ、古き戦士は身構えた。     
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