招かれた客~守護者・ガーディアン

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そう思ったが、誰にこの不機嫌さをぶつけて良いのか分からなくて、結局また丸くなる。 青い海と同じ色の空から眺める世界は、どこまでも広く・・美しい。 もし、ここにぽっかりと漂うはぐれ雲のように、一人きりでいたら~ いつまでも、いつまでもここに留まりたいと願うのかもしれない。 クリスは膝の上に置いた・紅・を抑えつつ、そんな事を思った。 ただ単純に景色を楽しめることが、普通は嬉しいのだろうけれど。 なぜだろう?? 気持ちにストップがかかるのは。 それは、きっと日常生活から離れてしまっているから。 普通の女子高生ではなく。 任務に就くガーディアンとして、ここに座っている事がその証拠。 ガーディアン~守護者~依頼人を護る者。 ガーディアン協会から任務の打診を受けて、各国へ派遣されるのが通常なのだけれど。 今回は少し変則的だった。 「ああ~っと、ほら! あそこですよ! 見えますか?あの島です!」 前の座席に座るピエールが振り返り、ヘッドホン越しに叫んでいる。 ヘリに乗ると、否が応でもその騒音に付き合わされることになる。 今回は案内人が道中、いや空中から 曖昧な説明をしてくれるものだから、かなり疲れてしまった。 依頼者から派遣されたという案内人ピエールとは、つい先日会ったばかり。     
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