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萃香「なあ霊夢、これからどうするんだ?」 二人を見送っていた霊夢に萃香が尋ねた。 霊夢「ん?そうねえ…。境内もだいたい綺麗になったし朝ごはんにしましょうか。準備するから少し待ってなさい」 萃香「おう!」 縁側に戻ってきた萃香は早速、腰に提げている瓢箪を取り出して酒を呑み始めた。 萃香「…ぷはー!桜を見ながら呑む酒は最高だね!にゃはは♪」 そこへおにぎりを四つ載せたお盆を持った霊夢がやってきた。 霊夢「できたわよー…って、朝から呑んでるの?」 萃香「いいんだよ、私は鬼だからね」 霊夢「おにぎりの味が分からなくなっても知らないわよ?」 萃香「鬼が苦手なおにぎりを鬼に食べさせるとは!霊夢も罪な巫女だね」 霊夢「それは古事記(こじき)での話しでしょうが…。いらないならもらうけど?」 萃香「冗談冗談!もちろん食べるとも」 いただきます、と萃香もおにぎりを食べる。おにぎりは二つともおかか(=鰹節)が入っていた。 萃香が食べ終わるのを待って霊夢はお盆を下げた。 ~~~~ その頃、境内を一匹の妖精がうろついていた。氷の妖精・チルノである。 チルノ「誰も来ないわね…。よし、最強のあたいが賽銭箱にいたずらするわよ!」 彼女の目的は賽銭箱へのイタズラだった。 賽銭箱に大量の蛙を入れておき、賽銭箱の確認に来た霊夢を驚かす計画を立てていたのである。 チルノ「そうだ、その前に賽銭がいくら入っているか確認をーーー」 そのとき、裏から足音がした。足音はこちらに近づいてくる。 チルノ「やばい、一時退避よ!」 チルノは守矢神社の祠の裏に隠れた。 ~~~~ ?「おーい!」 上空で声がした。 霊夢と萃香が上を見ると、箒に跨がった二人の少女がそこにいた。 前に魔法使いの霧雨魔理沙(きりさめ-まりさ)、そして後ろに人形使いのアリス・マーガトロイドが乗っている。 萃香「おおー!」 萃香と霊夢は手を振って二人を迎えた。 ~~~~ 魔理沙「昨日な、珍しいものを見つけたんだよ!」 地上に降り立った魔理沙の第一声はそれだった。 萃香「珍しいもの?」 魔理沙「ああ。歴史に残る大発見に違いないぜ!!!」 霊夢「アリス、何のこと?」 霊夢は魔理沙の異常に高いテンションについていけず、そばにいたアリスに尋ねた。 アリス「実物を見せたほうが早いんじゃないかしら。魔理沙、持ってきてるんでしょう?」 魔理沙「おう。ちょっと待ってろよ?」 魔理沙は後ろを向いてエプロンドレスをごそごそ漁り、ある物を取り出した。 魔理沙「じゃーん、これだぜ!」 霊夢&萃香:Σ( ̄□ ̄;) 振り返った魔理沙が手に持っていたのは笠の部分が鮮やかな赤色をしたキノコだった。 霊夢「……まさか、毒味しろとか言うんじゃないでしょうね?」 魔理沙「その『まさか』だ。なに、毒はないから大丈夫だぜ」 霊夢「嫌よ、見るからに毒々しい色してるじゃない!」 魔理沙が霊夢に詰め寄り、それに伴い霊夢が一歩後退する。 萃香「霊夢、魔理沙が言っているんだから間違いないと思うよ?」 霊夢「嫌なものは嫌なの!」 萃香「だったら私が味見するよ。そのキノコ、私にちょうだい♪」 あーん、と口を開けた萃香を霊夢が叩く。 霊夢「なに考えてんのよ!」 萃香「何すんのさ!ぶー!」 魔理沙(やれやれだぜ…。) …と、ここで魔理沙のターゲットがアリスに変わった。 魔理沙「アリス、どうだ?」 アリス「私も遠慮しとくわ(汗)」 魔理沙「遠慮する必要はないぜ?」 後ろに下がるアリスに、じりじりと詰め寄る魔理沙。 ついにアリスはへたりこんでしまった。 チャンスとばかりに魔理沙はそれを突きつける。 魔理沙「アリス、私のキノコが欲しくないのか?」 アリス「卑猥な発言は止めて!」 魔理沙「そんな堅いこと言わずに食べようぜ?ほら!ほら!」 アリス「イヤー!」 バシッとキノコを持った手を払いのける。 その反動で魔理沙はキノコを落としてしまった。 魔理沙「おおう、もったいない!」 魔理沙はシュバッと目にも留まらぬ速さでキノコを自らの口に放り込んだ。 魔理沙以外の三人(食べた!!) だが、ほどなくして魔理沙が苦しみ始めた。 霊夢「魔理沙、大丈夫!?」 魔理沙「~~~~っ!」 喉にキノコが詰まったとみえ、たちまち魔理沙の顔が紫色に変化した。 霊夢「アリス、永遠亭に行って永琳を呼んできて!」 アリス「わ、分かったわ!魔理沙、大人しくしてなさいよ!?」 わたわたしながらアリスは神社の石段を駆け降りていった。参道で突っ立っていたチルノを突き飛ばして…。 ~~~~ いきなり突き飛ばされたチルノは堪ったものではない。 チルノ「もう、何なのよー!(怒)」 改めて辺りを見渡してみるが誰もいない。 するとまた、チルノは後ろから誰か(アリス)に突き飛ばされた。 同時に、神社上空を厄神の鍵山雛(かぎやま-ひな)が回転しながら通過していった。 チルノ「むきー!もう怒った!!」 二度も突き飛ばされたことに憤慨したチルノは一気に石段を駆け下りていった。
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