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体に直接響く振動が、抱き締められていることを実感させる。 バクバクとうるさい心臓は痛いくらいだ。 だけど……だけど。 私の耳に聞こえてくるのは、大翔くんの速くなった鼓動。 私だけじゃなくて、大翔くんもドキドキしてるんだ。 先輩がいなくなって安心したはずなのに、心臓はまったく言うことを聞いてくれない。 「心が狭いって、呆れる?」 「ううん、呆れたりなんてしないよ」 呆れるどころか、そんなふうに思っていてくれたなんて、嬉しい気持ちが勝つよ。
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