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「それなら、他の男に触らせるのだけはやめてくれる?」
「うん、ごめんね」
「いや、俺が我慢できなかったことが、一番ダメだから。ごめん」
ごめん、という言葉とともに、大翔くんの腕に力がこもり、私は大翔くんの胸に顔を埋めることになった。
「終わったか?」
不意に聞こえた先生の声に我に返って、グイッと大翔くんの体を押した。
何も言わずに私の体を開放した大翔くんは、私の心臓をなだめる様に背中を撫でて、自分の席に戻っていった。
私なんて、顔も真っ赤で、手だって震えるくらいドキドキしているというのに。
チラッと窓の方を見ると、涼しい顔をした大翔くんは、またいつものように窓の外を見てしまった。
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