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「ああ、嫉妬なんて、初めてしたな」
「……ごめん」
「いや、こういうのも悪くない。でも」
大翔くんは、言葉を途中で切ったかと思ったら、シャーペンを日誌の上に置いた。
それを目で追っていると、大翔くんの大きな手が上がり、長い人差し指が私の髪を耳にかける。
そのまま指が滑って、頬がすっぽりと覆われた。
心臓が頬に移動して、そこがドクドクと脈打って熱い。
「日南子も、俺だけを見てろよ?」
その言葉に茫然としていて、気付けば、大翔くんの顔がゆっくりと近づいてきていた。
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