戦乱の音

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李陵の育ての親である 祖父の李公(りこう)は、 匈奴から【飛将軍】と渾名され 恐れられていた。 「お前なら、きっとあの方達の遺志を立派な継げるさ」 「たった三百騎だぞ、蘇武。俺はまだ、地方の校尉でしかない」 李陵の声色が落ちる。 「まだ、その時ではないだけだ」 「飛躍出来るのかな。俺に」 「何を弱気なっている。お前は、あの英雄霍去病が認めた男だ。自信を持て」 「そうは言われてもな」 「実はな・・・李陵」 蘇武が視線を正し、 李陵を直視した。 「何だ?改まって」
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