戦乱の音

22/32
前へ
/734ページ
次へ
「解せないか?」 「ああ。大宛と戦う理由が何処にある?」 李陵は、空になった蘇武の椀に 酒を注ぐ。 「陛下は、汗血馬を欲しておられる」 汗血馬。 それは、大宛が有している固有種の馬で その体格は、漢の馬を大きく凌ぎ 駆けると血の汗を流すという。 噂によれば、一日に千里を駆ける胆力を持つという。 だが、漢には 大宛より友好の証として 贈られた数十匹程度しかいない。
/734ページ

最初のコメントを投稿しよう!

251人が本棚に入れています
本棚に追加