戦乱の音

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あまりにも、愚かな行為だと思えた。 確かに漢は今、馬匹が不足している。 しかし、大宛の汗血馬に それほどの労力と軍費を捻出する 価値が本当にあるのか、疑問でしかない。 もし汗血馬を奪えたとしても 本当に汗血馬に、それだけの価値と将来性があるのか? 愚行としか、言いようがなかった。 もっとやるべきことがあるではないか。 匈奴も徐々にであるが、力を取り戻し始めている。 西に眼を向けるということは、 北への警戒がおざなりになるということだ。 何より、国政が 安定していない中の遠征は、危険だ。 国の腐敗を更に深刻化させる可能性が高い。 急務は、汗血馬を求めるのではなく 国の情勢を安定させることだ。
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