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李陵とは相対して
蘇武は恍惚とした表情を浮かべている。
「やはり、陛下は人という枠では測らないほど、大きい」
「どういう意味だ?」
「踏み込んだ決断をされる」
「大宛への遠征のことか?」
「それ以外に、何がある?」
蘇武は、まるで李陵が可笑しいというように
小馬鹿にするように、唇を僅かに綻ばせた。
「お前は、大宛遠征を英断と捉えるのか?」
「陛下には、お前にも僕にも見えていない未来が視えている」
「お前・・・」
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