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「数は?」
構える霍景を他所に
高刹は、極めて冷静に訊いた。
「五万にものぼると」
「五万!?」
想像を絶する数に
霍景は唖然とする。
対照的に、
高刹は眉間に皺を寄せて考えにふけっている。
「何故、ここで五万の兵力を。まさか、匈奴を叩くのではあるまい。
匈奴を叩くとすれば、天水に駐屯するのは奇妙だ」
「探ってみますか?」
楽鵬の視線は、既に外に向いている。
準備は整っている。そう言いたげである。
「ああ。頼む」
「御意」
窓から風が入り、瞬くと
もう楽鵬の姿はなかった。
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