弐師城 攻防戦

7/270
前へ
/734ページ
次へ
「数は?」 構える霍景を他所に 高刹は、極めて冷静に訊いた。 「五万にものぼると」 「五万!?」 想像を絶する数に 霍景は唖然とする。 対照的に、 高刹は眉間に皺を寄せて考えにふけっている。 「何故、ここで五万の兵力を。まさか、匈奴を叩くのではあるまい。  匈奴を叩くとすれば、天水に駐屯するのは奇妙だ」 「探ってみますか?」 楽鵬の視線は、既に外に向いている。 準備は整っている。そう言いたげである。 「ああ。頼む」 「御意」 窓から風が入り、瞬くと もう楽鵬の姿はなかった。
/734ページ

最初のコメントを投稿しよう!

251人が本棚に入れています
本棚に追加