弐師城 攻防戦

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丸一日後。 楽鵬が帰還した。 何処から手に入れたのか 楽鵬は具足を纏っていた。 恐らく李公利軍の兵士のものだろう。 「掴めたか?」 燭台の火の影が 尋ねた高刹の顔に重なる。 「ええ。大方は」 「で、どうだった?」 霍景が逸る。 「はい。どうやら李公利は大宛に向かっているようです」 「大宛だと?」 声を上げたのは、霍景。 「何故、軍が大宛へ侵攻する?」 感情を表に出さない高刹も 事の不明瞭さに、前のめりになる。
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