弐師城 攻防戦

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「馬を奪う為に、大宛に遠征だと」 高刹は、半ば呆れ口調で言った。 「そういう事になりますね」 楽鵬も冷笑を浮かべる。 「奪うって・・・それじゃあ、匈奴と何も変わらないじゃないか」 「それ程、今の漢は国の質は落ちているということです」 霍景の言葉に、高刹が答えた。 高刹の表情からは、どこか虚しさのようなものが滲み出ている。 彼はまだ若いが 霍去病や衛青が牽引していた時代を知っている。 だから、今の漢の腐敗に 憤りを感じているのかもしれない。
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