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上半身で崩し、下半身で刈るべし
そうして私とジュンイチは付き合うことになった。
「──なるほどそれはめでたい。で、それと私に大外刈りを教わることにどう繋がりがあるんだね?」
はーやれやれ、この性別詐称ゴリラには乙女の気持ちというものがわからないらしい。それも仕方のないことではある。常にジャングルで人間をぽいぽい放り投げては絞め殺している動物に、恋という人類の甘いスパイスを味わう機会などあるはずもなしそもそもそんな感情を持ち合わせているとは思えない──あ、あの、エミリさん?く、くびが絞まってるんですけど……私投げ技を教えてほしいとは言いましたが締め技は頼んでないんですがあああいい息ができないぃ。
「お前は全然喋らないくせに顔に出すぎなんだよ」
……失礼なことをいう。私ほどポーカーフェイスに長けている人などそうそういないだろうに。はやくカジノ解禁されないかな、ギャンブラーアヤノの名が全国に轟かされるのももう間もなくであるぞ。
「はいはい。つまり説明したくないとそういうことなんだな。……まぁいいけど」
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