上半身で崩し、下半身で刈るべし

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 そうして私は落ちたのだった。ちょろい……我ながらちょろすぎるもんだよ……。  そういえばあの時ジュンイチの顔を見ていなかったな、と思いだした。抱きしめられているときの私の顔はきっといろいろな絵の具がまざったみたいにぐちゃぐちゃだったろうけど、はたしてジュンイチはどんな顔をしていたんだろう……。  この、付き合っている彼女が自分の部屋に来ているというのにいつもと変わらない顔をしているのだから、あの時もきっと今と同じなのかなぁ……そういえば手をつないだ時も。緊張で私は震えていて、ちょっとだけ前を歩くジュンイチに少し感謝したのだった。はずかしくて赤くなってる顔をみせなくてすんだから。  だから、私は気づいた。本当に、いつもと変わらない顔をしている?  机にかじりついてさも数式を一生懸命に解いてますよ、とまるでパフォーマンスしているみたいに見えるジュンイチ。その少し赤らんでいる頬。  そして目が合った。 「っ!ちょ、の、飲み物とってくるね!」  この机のど真ん中に置かれたコーラとオレンジジュースと緑茶はなんなのだ。まって!と私は部屋を出かけたジュンイチの手を掴んで引き留める。 「な……なに?麦茶とかのほうがいいかなって思ったんだけど」     
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