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「おはようございます~」
朝から痛い程の日差し。
浜辺はもうすでに大賑わいだった。
「お待ちのおねーさん達、なにしましょ?」
ショートエプロンを掛けながらカウンターに入る。
「ねぇキミ、バイト君?かわいい?」
「おねーさん達と、遊ぶ?」
(きたーー!!)
まさに、俺がこの夏、求めてたムフフなシチュ!
夏・海・水着!!
普段なら高校生てだけで相手にされないような、おねーさんと、お近づきになるために、バイトを始めたのだ。
「遊びたいっすけど、僕、バイト中なんで」
すぐに喰いつかない、様子をみる。
「えー、ちょっとだけーいいじゃん!」
「そうよ~、それにお願いもあるし」
おねーさん達はカウンターに乗り出すようにアピールしてくる。
「コレ、君に塗って欲しいんだけど?」
手にはサンオイル。
(マジか!塗るって、この身体に触っていいんだよなぁ。)
「お、お願いなら、仕方ないっすよね?昼過ぎでもいいすっか?」
「もちろん??」
「じゃ、後で迎えにくるね~」
プリプリのお尻を振りながら歩いてく後ろ姿に手を振って、小さくガッツポーズ。
(海ってサイコー!)
「・・・最低」
振り向くと、いつもの定位置に那智がいて、少し不機嫌そうに携帯をみていた。
「なんとでも言え。俺は一足先に夏を満喫して、素晴らしい思い出を作るんだ!」
鼻歌交じりに、焼きあがった焼きそばをパックに詰めていく。
「・・・ばーか」
那智の憎まれ口が聞こえたが、今度は振り向かなかった。
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