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だが、浩貴の褒め言葉にも翔多はあまりうれしそうではない。
「男にかわいいっていうのは、褒め言葉じゃないわよー、浩貴クン。オレからすれば、浩貴のほうが綺麗だと思うけどね」
「いや。オレは目も切れ長で鋭いし、きつめの顔立ちだから……」
「うーんとね、この本によると、背が高くて体つきがしっかりしてるほうが、攻めになっているみたいだね。浩貴はオレより背が高いし、スリムだけど体にもちゃんと筋肉ついてるもんね。となると、今の攻め受けの関係は変わらないってわけか。あーあ」
「おい、翔多、なんだよ? その本!」
いつの間にどこから取り出したのか、翔多は一冊の漫画雑誌を見ている。
浩貴は雑誌を翔多の手からひったくり、パラパラとめくった。
その中ではキラキラした少女マンガ特有の絵柄の男たちが、濃厚なベッドシーンを繰り広げている。
かなりハードなセックス描写で、男性向けの成人雑誌も顔負けである。
なのに、絵柄はキラキラ、ペンのタッチはどこまでも繊細で、いかにも女の子が好みそうなものだ。
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