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「あ? 終わってるわけねーじゃん、てかまだ構図すら決めてねーよ。あっちの席がさあ……ほらあの早崎たちの席。煩いの」 「あー、なるほど」 結城がこっそりと指をさしたその先。俺がさっき振り返った時にも目にした、早崎アンドその取り巻き集団が視界に映った。ああ、確かにあんな奴らが近くにいたらうるさくて油絵どころじゃねえよな。たしかに。 「ありゃもうアイドルだな。早崎悠斗っていうアイドル」 「ハッ。ちょーっと顔が良いのと絵がうまいっていうだけでアイドル扱いかよ。いいよなー」 俺たちなんて多分、絵が上手くても顔がダメだからアイドルにはなれねえしな。世の中やっぱり顔か。顔なのか。女子とか「男は顔より中身よ?!」とか言ってるくせして結局98%の女は顔で判断してるって俺知ってるからな。 まあ確かに。早崎の顔は、まあイケメン……というか、綺麗めな顔立ちをしてるとは思う。それも、何ていうのかな、ハーフみたいな、日本人離れした感じの綺麗さ。目鼻立ちもくっきりしているし、肌も白くて透き通るようだ。これを多分世の中では「儚い美少年」みたいな言い方をするのだろう。
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