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「俺の彼女が作ったものだけど料理は得意中の得意だから味は保証するよ」
一番、聞きたくなかったワード
彼女… 彼女……
頭をグルグルと駆け巡るように彼女のフタ文字が流れていく
そりゃそうか…
こんなカッコイイんだもん。彼女くらいいてもおかしくない
むしろ、いない方が変だ
私の初恋は呆気なく終わった気がした
勝手に恋して勝手に終わる恋
泣きそうになるのをグッと堪え、私は一枚 クッキーを口に入れた
「甘い…」
口一杯に広がる甘い味とバニラの香り
それと同時に 初恋の味になったクマさんクッキー
「でしょ?俺ももらおうかな…… ん、甘い」
甘いクッキーと少しほろ苦い初恋の体験
私もいつか こんなクッキーを作れるような恋愛がしたい。
好きだって伝える事は叶わなかったけれど いつか隼人さん以上に好きな人が現れたら… 絶対 好きって言ってみたい
「あの、クッキー美味しかったって伝えてください。彼女さんに…」
私はこの時、やっと初めて隼人さんの目を見て 笑えた気がした……
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