14歳だって ちゃんと恋はする

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「あ、はい…」 絶対、今 顔は真っ赤に違いない だって 顔が燃えるように熱くて、そんな顔見せたくないから隼人さんを直視できない しばらく、下を向いたまま黙っていると… 隼人さんはぐるりと部屋を見渡す そして、あの少年のような笑顔で微笑みかけた後 「クマさん好き?」 と そう尋ねてきた 突然の問いにふと顔を上げる 「あ、やっと見てくれた」 バチっと目が合い ハッとなれば赤くなった顔を両手で隠す 「ねぇ、今日は勉強はやめて 紗綾香ちゃんの好きなもの教えてくれる?」 小首を傾げ 優しく話しかける隼人さん 「… は…い」 顔は手で覆ったまま 小さく返事をする私 「じゃあ、話す時は相手の顔を見なくちゃね。ほら紗綾香ちゃん」 スッと立ち上がる音がして、私の近くに座りなおした隼人さんは 私の手を優しく解くと、ニッコリ笑いかける ドクドクドクドク……… だめ、心臓の音… 聞こえちゃう 「紗綾香ちゃんはクマさん好きなの?」 「好き…」 だめ… 好きってまるで私… 好きって呟いた瞬間、隼人さんに言ってるみたいな気がして ドキドキが急上昇する 「そうなんだ。俺もね好きだから、一緒だね。紗綾香ちゃんと」 え?…… 隼人さんも好き? で、でも それは私じゃなくてクマさんが好きってだけで…… 完全に頭の中がパニックになった私は 近くにあったクマのストラップを握れば、それを隼人さんの前に差し出していた
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