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「あ、あ、あげます!」
青色のクマさんのストラップ、気に入ってずっと側に置いていたもの
「いいの?こんな大事な物。紗綾香ちゃんのお気に入りなんじゃないの?」
「い、いいんです!あげます……」
恥ずかしさのあまり、少し強引にグイッと隼人さんにクマさんのストラップを差し出し、少し驚く隼人さんは私からストラップを受け取ると 嬉しそうに微笑んだ
「ありがとう。大切にするよ。紗綾香ちゃんからもらったクマさん」
嬉しい… 嬉しくて 泣けてきそう
「紗綾香ちゃん、お礼とはいってはなんだけど これ食べる?」
隼人さんがそう言って鞄から出してきたのは紙袋に入った 透明なフィルム袋に包装された手作りと思われるクマさんクッキー…
「え?いいんですか?」
食べるには可愛すぎて勿体ないけれど
封を開ければ美味しそうな甘い匂いに誘われる
「うん。是非、生徒さんにって作ってもらったものだから」
作ってもらった?…
その引っかかるフレーズに クッキーを持ちながら固まる私
隼人さんが作ったものじゃなくて?……
なら、妹さんとか?お姉さん?
あ、隼人さんの お母さん…
頭の中で引っかかりながらも、こうであってほしいと 都合の良い方へ思考回路は働く
でも、次の瞬間……
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