秘密

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小屋の中にはまだ組み立て前の段ボール箱の束やプラスチックのコンテナなんかが積まれているのが見えた…私はしのぶちゃんに腕を背中でつかまれ手で口をふさがれたまま小屋に押し込まれた。 後ろで扉が派手な音をたててしまった。 急に明るい屋外から暗いところに入れられたので何も見えない… 突然目の前に布が出てくる…しのぶちゃんの手が一瞬口からはずされたけどすぐに布を無理やり口にくわえさせられる…布がぐいぐいほっぺたに食い込む…口の中の布が押されて喉の奥がオエッってなる… 苦しくって手足をバタバタして暴れだけどすぐに押さえつけられてしまった。 そのとき、ちょっと暗さに慣れてきた私の目に小屋の奥の様子がちらっと見えた…あの黒っぽいかたまりは縄? そう思った瞬間、手首にザラリとした物が巻きついてきた。縄とびの縄なんかじゃないザラザラした硬い感触の何かが私の後ろ手に回された手首を縛ってくる…それがあの黒いかたまりに見えた縄だとわかったのはそれが私の腕から胸に巻きついてくるのが見えたからだ。 縄が腕ごと胸に巻きついてくる…私はドキドキして息もできない。縄が一旦背中側に戻ると、手首の締めつけがちょっときつくなった。再び縄が体に巻きついて、今度は右から左へと体が締めあげられて行く。そしてまた背中へ…手首の締めつけがまた少しきつくなる… いままで感じたことのない荒々しく容赦のない締め付けだった。縄にすべての自由を封じられる感触…これじゃ本当に身動きできなくなっちゃうよ…頭の中でそう言葉にした瞬間、背骨に電気が走った。下半身がしびれて立っているのがやっとだ。口から心臓が飛び出しそうだ。これから私、どうなっちゃうんだろ…
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