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そっと右手で頭をなでる。透子はくすぐったそうに目を細める。まるで猫のような姿だなと思い心の中で小さく笑う。透子がのそりと体を起こしてベットを這い出てキッチンが向かう。
コップに水道水を豪快に流し込んでうがいをする。冷蔵庫に向かって中から麦茶を取り出すと僕にコップを渡す。
「随分顔色が悪いけど大丈夫?」
心配そうな顔を向けてくる。体を起こしてコップを受け取り麦茶を喉に流し込む。
「ああ、大丈夫。ちょっと夢見が悪かったんだ」
「どんな夢?」
興味深そうに僕の隣に彼女が座る。
「……僕が自分を殺す夢だよ」
リアルな感覚が今でも手に残っている。夢なのに妙にはっきりと記憶に残っているのも不気味だった。そっと肩を抱き寄せられる。全身の寒気が和らいだ気がした。
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