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「気になる」
「それは食べるってこと?」
「うん、食べたい」
気がつくと好奇心のままに答えていた。柔子は立ち上がると冷凍庫からご飯を取り出し、電子レンジで温め始める。その間に台所の棚からポテトチップスを持ってきた。
「ちょっとだけ残ってたから、ちょうど良かった」
そう言って袋を揉んでいく。中でポテトチップスが砕ける音がした。その間にレンジのアラームが鳴り、温かいご飯が取り出される。
「どれでも美味しいんだけど、私のおすすめは『のりしお』かな」
色々試しているのか。私のツッコミをよそに白いご飯の上に細かく砕いたポテトチップスを振りかけていった。最後に冷蔵庫からマヨネーズを取り出し、渦をまくようにかけていく。
「はーい、完成」
柔子の隣の席にそのポテチご飯と箸が並べられた。改めて見るとおかしい。まさにジャンクフード、白米が可哀想にすら思える。
「私、食べてるね」
しかし、柔子は美味しそうに食べている。一体どんな味なんだ。私は彼女の隣に座り、手を合わせた。いただきます、と呟き箸と茶碗を持つ。温かいご飯の中にほんのりと油の匂いがあった。一口分取り、口の中に入れる。
ふりかけよりもあっさりとした塩気にマヨネーズの絶妙な酸味。そこにご飯の甘さが混ざることで旨味が引き出される。それにポテトチップスならではのサクサク感が新鮮だった。
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