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『あの子いつも一人でいるよね』
『暗いのかな?やぁだ』
そんな事誰も言ってないのはわかってる。けれど、休み時間のたびにうつむいて、長い髪で顔を隠し、本を読んでいる私はきっと、他の子にはそう見えてるに違いない。
そんな気持ちがのしかかるたび、世界はどんどん色を無くしていく。
頑張ってみよう。そんな勇気も持てなかった。
「おい」
近くで男の子の声がしたけど、まわりの子を呼ぶ声かな。私には関係ない。
「おいってば」
「聞いてる?」
不意に額に温かい感触がして、私の前髪がふわっと持ち上がる。
え?
私は訳もわからず、ふっと前をみた。
目の前の席に座る白い男の子。
私の額に片手をあてたまま、私の顔をじっとみる。
「やっと気づいた」
男の子はにかっと笑顔を浮かべた。
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