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『ゆま?大丈夫?』
お母さんの手が頬に触れ我に返る。
『ごめん。行かなきゃ行けないとこがあるから先に優太達と帰ってて。おばちゃんもごめんね。』
顔に皺をよせ優しく頷いてくれた。
さっきまで居た場所に戻るが廊下には誰一人居ない。
ここは病院と言い聞かせながらも小走りになる。
走ってしまう。
あぁ…どこ。
またやってしまった…
アタシのバカ…
もうどこよ…
あっっ、外か―。
急いで正面玄関へ向かうとタクシーが一台止まっていることに気付いた。
こんな田舎の病院にたった一台しか止まってないなんて彼に違いない。
きっと呼んだんだ。
駆け寄った。彼がいると願って…
でも降りてきた人は探人ではなかった。
『おぉ、なんだびっくりするじゃん!お出迎え?』
きょとんとした顔をし車から降りてきたのは酒井潤だった。
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