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この先どうなるんだろう。
金田瑠可は怒ってるし、これからあの社宅もでなきゃならないし…
優太と二人で生活しなきゃならないし…
バイト見つけなきゃ、最終的におばちゃんに迷惑がかかるだろうし…
お先真っ暗です。
『あのお父さん…やっぱり俺はこっちにいる間あそこに居なきゃいけないんですか?兄貴らと住まなきゃいけないんですか?』
あら…
酒井潤の声にそっくり。
その病室から声が聞こえてきた。
聞くつもりはなかったんだけど、聞こえてしまって。
それにしても声が似てるな…
名札を見直すが勘違いだな。
名字が違うもん。
耳までおかしくなったんだきっと。
そして今度は三階へ。
ぐるりと廻ったが彼の姿はどこにも見当たらなかった。
もう一度、おばちゃんとこにいって挨拶をしよう。
深呼吸し気持ちを切り替え笑顔を作る。
『おばちゃん、もうそろそろ戻るね。
お見舞いに来たのにばたばた勝手なことばかりしてごめんなさい。
お大事にしてね。また絶対会いに来るからね。』
痛々しい足を見つめながら話した。
『そうだ…今さっき男の人がみえてなお花を下さったの。
ゆまの知り合いだって言っとったよ、ありがとねよろしく伝えてちょうだいな…。
それから学校頑張って、青春ね羨ましいわ。このこの!』
花束を見つめ笑顔のおばちゃんに少し元気を貰った。
にしても酒井潤は律儀と言うかなんというか…
ちゃんとしてるというか…
わざわざこちらにもお見舞いに来てくれるなんて。
ありがと…
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