第四章 おりの中の子羊

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それに見兼ねた酒井潤が 『僕でよければまたヘリで一緒に来ますから安心して下さい。』 その言葉に号泣する二人。 『…早く行こうよ。』 一番、冷静な優太。 いつだってそうだ。 『永遠の別れじゃないんだし…またね。』 バタバタバタバタと外で激しい音が聞える。 外に出るとヘリコプターが止まっていた。 うちの両親ときたら二人して駆け寄り感心、乗り心地、機内見学すること約20分。 『そろそろ行きますね。』 さすがに酒井潤も呆れたのだろう。 声をかけなきゃ帰れないと思ったんだ。 『じゃあね。』 機内に乗り込むとあっという間に両親がいる地上が小さく見えた。
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