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曽木発電所遺構からの帰り道、長くなった影を追いかけながら、自転車を漕いでいた。
ついさっき、別れたばかりなのに、もう睦君で頭がいっぱいだった。
ひかりから見たら、睦君は高校生か大学生に見える。
本当は、何歳で、どこに住んでいて、どこの学校へ通っているんだろう?
考えて見たら、睦君の事は何も知らない。
もっと知りたい、睦君の事!
睦君と過ごす時間が好き、また睦君に会えるかな?
ひかりは、気が付いていた。
きっと、これが初恋だ。
自分の想いを噛み締めた。
流れる風が優しく撫でていく。
ひかりは、自転車を漕ぐペダルを強く踏み、家路を急いだ。
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