小学5年生 6

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「ひかりちゃんは僕が知りたいんだよね?」 「そうなの。・・だから、ここに来たの。ごめんなさい。」 「ひかりちゃん、それを知ったところでどうするの?」 「私ね、睦君がどんな人でも変わらないと思うけど・・もっと、睦君を知りたいの・・。知りたいだけじゃ、ダメなのかな・・」 「分かった。ひかりちゃん、それなら一つ、約束してくれないかい? 僕の記憶は、君の中だけにとどめてほしい。 それが出来ないなら、君の中の僕は消すしかない。交換条件だ。 どう?出来るかな?」 静かにしゃべる睦君は、ひやりとした威圧感を放ち、強い意志と特別な力を感じさせた。 その威圧感の強さに、武者震いがした。 おそらく睦君が持つ特別な力に抗う事は不可能だろう。 天使なのか、悪魔なのか、幽霊なのか、妖怪なのか、見当もつかないけれど、この人は間違いなく人間ではない。 ひかりの直感がそう告げていた。 それでも、この人が何者でも構わない。ひかりの心に迷いはなかった。 「出来るよ。睦君を忘れたくないもん。絶対、失くしたくない。」 「分かった、君は出来ると信じるよ。約束は死ぬまで忘れないで。いいね?」 “約束は死ぬまで忘れないで” そう言った睦君の声は、凄みを含んだ強くて深い響きだった。得体の知れない圧は、怖いくらいだ。 それでも、約束を交わす相手が睦君なのだから、迷いは微塵もなかった。 「絶対、守る。」 ひかりの気持ちは変わらない。変わるはずはない。 睦君は、決心したように頷くと、話を始めた。
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