1人が本棚に入れています
本棚に追加
/53ページ
小学5年生 7
ひかりの夏休みは残り4日間となっていた。
「行ってきます。」
「無理はダメだからね。」
「分かってる。」
ひかりの元気な声が玄関から響いた。
相変わらず、ひかりの日常は忙しい。
暇を持て余していた今までの夏と大違い。
自転車に乗り、ベダルを強く踏みしめる。ダムから吹き降りてくる風をしっかり受け止めた。
夏の匂いは睦君の匂いだ。
伊佐市の夏が大好き。
ひかりは、風に乗りビートを刻む心臓の音を追いかける。
美奈子ちゃんの家が見えてきた。
美奈子ちゃんが大きく手を振っている。
「おはよう!」
「美奈子ちゃん、おはよう」
こうして、ひかりの一日が始まる。
最初のコメントを投稿しよう!