1人が本棚に入れています
本棚に追加
/53ページ
夏休みは、今日で終わり。
明日から学校が始まる。
宿題だって、計画に進めたおかげで珍しく終わっている。
毎年、宿題に追われる日だったはずが、今年は有意義に過ごせそう。
夏休み最後の日は、美奈子ちゃんも、家族で出かけると嬉しそうに話してくれた。
今頃、美奈子ちゃんはジェットコースターに乗っているかなぁ。
笑うと出来る美奈子ちゃんのえくぼが可愛くて好き。
そんな顔を思い出していた。
部屋の窓を開けて、風を受けた。心地の良い風が駆け抜けた。
明日、学校へ行く準備でもしよう、午前中はのんびりとした時間が流れている。
持っていくものを一つ一つ確認しながら、学校生活を思い出していた。
学校の教室、勉強、先生、友達・・昨日まで、遠い世界のように感じていた。
明日からは、学校が中心の日常が戻ってくる。
そう思うと、どうしてだろう。
夏休みの最終日は夏祭りの次の日みたいに思えてくる。
人々の笑い声と夜に浮かび上がるライトの美しさや楽しい空気感といった夢が、夜と共に嘘みたいに消え失せて、形跡と余韻だけが刹那に残る。
最初のコメントを投稿しよう!