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「飯田ひかりです。」
「この辺の子かい?」
「はい、最近、引っ越してきました。」
「ひかりちゃんだね?僕もこの辺の子だよ。よかったら友達になってくれないかな?」
青年が手を差し出した。
ひかりは、とっさに青年の手を取って、握手をした。
「僕は、睦(むつ)だ。よろしく。」
ひかりは、握手しながら睦だと名乗る青年を見上げた。
気品と清らかさを兼ね備えた美しい青年だと、改めて思った。
「こちらこそ。」
ひかりは、睦と名乗る青年から目が離せなくなっていた。
睦と名乗る青年の黒目は、不思議な魅力にあふれている。
まるで井戸の中をのぞき見しているように、どこまでも黒くてそこはかとなく深い。
引き込まれてしまうような気がした。
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