小学5年生 2

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「ひかりちゃんの話、聞かせてくれると嬉しいな。」 穏やかな微笑みを浮かべた美しい睦君と話をするなど、恐れ多いような気がした。 私なんかで大丈夫? そんな思いがひかりを躊躇させた。 ひかりは本来、恥ずかしがり屋ではない。 だた、曽木小学校に通ってもうすぐ1か月が経つというのに、友達が一人もいない。 未だに学校には馴染めていなかった。 そのせいもあって、すっかり自分に自信を無くしていた。 「つまらないかもしれないし・・。」 ひかりはうつむいた。 「面白いか面白くないかは、問題じゃないよ。聞きたいんだよ、君の話。僕の願いを叶えてほしいな。」 睦君の微笑みは、ひかりに勇気を与える。そんな微笑みだった。 「でも、どんな話をすればいいのかな?」 そう言いながら、再びうつむいてしまった。 気恥ずかしいというか、照れくさいような心持ちだった。 「ここに来た経緯が知りたいな。」 「うん、きちんと話せるか分からないけど、話してみる。」 「ここは暑いから、あの木陰に行こうか。」 「うん。」 ゆっくり木陰まで歩き、腰をおろすと、ひかりは話を始めた。
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