小学5年生 2

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空が鮮やかな赤紫に変わり始めていた。 川の色も、不思議な建物もその影響を受けて、赤紫に染まり始めている。 「そろそろ、帰らなくっちゃ。」 そう言うと、ひかりは立ち上がった。 少し遅れて睦君も立ち上がった。 「今日は楽しかった。ひかりちゃんの話、また聞きたいな。」 睦君から“今日は楽しかった”と言われて、純粋に嬉しかった。 私と過ごして、楽しいと言ってくれる人がいる。そう思えるだけで、心が踊った。 それに、そう言ってくれたのは、誰でもなくこの睦君だ。 私も楽しかった。また睦君に会いたい、そう思った。 「また、来るね。ここに来たら、また睦君に会える?」 ひかりは、睦君の目を真っすぐに見て言った。 「会えるよ。僕はここが好きだから。」 そう言った睦君が、優しく微笑んだ。 「近いうちに来るから。」 ひかりが睦君に手を振った。 「それじゃ、またね。」 睦君も手を振り返した。 ひかりは止めてある自転車へ向かいながら、何度も振り返り、睦君に手を振った。 睦君もその度に手を振り返してくれた。
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