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やたらと眠い…いつ買ったのか忘れた缶コーヒーを飲みながら、もう小一時間タバコを吸ってる。延々、チェーンスモーク、タバコも安くないのにね。
このコーヒー、いつ買ったのか忘れたし、いつ空けたのかも忘れた。冷蔵庫の奥の奥に押し込まれていた飲みかけの蓋つき缶コーヒー。カビとか生えていたら嫌だなぁとコップにあけた、大丈夫だった。
昨夜、なんだかよくわからない話でガールズバーの女の子に絡んでしまい、そのまま朝まで絡んでしまった。申し訳ない事をした。
全部言い訳だけど、最近何をやってもうまくいかない。友達と遊んでもなんだか上の空だし、仕事中も上の空、夜になると妙な不安に怯える。このまま、ほんとにこのままおれの人生は終わっていくのかな。
考え出すと眠れなくなるので、考えないようにYouTubeの動画をつけっぱなしにする。睡眠用BGM、~トーク15連発みたいな、聞き流せるお笑いのやつ。
やり過ごすように生きて、聞き流すように眠る。飲みたい気分になるとガールズバーへ行き、向こうが客商売なのをいい事に訳のわからない話を延々垂れ流す。
帰宅途中から後悔の念がこみ上げる。ああ、おれまたこんな事やってる。考え出すと眠れなくなる。当たり障りのない何かを聞き流す。
なんだろ、「生き流してる」って感じがする。淀みを流し去るために焼酎とYouTube。
おもむろにギターを手にする。下手だけど簡単なコードくらいなら弾ける。
焼酎とYouTube 流し去ってくれ五里霧中
重たい意識の白昼夢 ガールズバーのアバンチュール
歌うのをやめる。無音が部屋に鳴り響く。それは静寂と言うにはうるさく、眠れない夜の冷蔵庫の振動のよう。
そんな夜に酔えた日々もあった。窓から月を見つけた夜もあった。いつからこんな風に。いつからってなに? こんな風にってなに? おれはもう、「こんな風」なの? こんな風とか言って、勘弁してくれ…。
「旅行でもいくかなぁ」
声に出して言ってみる。なんとなく、部屋を静寂が包む。スーツケースあったっけ? なかったらなかったで別にいいや。
仕事、無断で休もう。明日からしばらく無断で生きていきたい。一々断りを入れるような日々には疲れた。人は無断で生まれ、無断に死ぬ。無断に生きていこう。
次回、旅行へ行くの巻。乞うご期待。
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