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あれから3年。私はアパレル関係の会社に就職した。
アパレル関係の事に携わる事は、以前のような事に苛立つ事を少なくした。今では道端に綾鷹のカンカラが落っこちていても全然気にならない。全然気にならないと言うか、あれ以来道端に綾鷹のカンカラが落ちているのを見ていない。はて。
これはもしかして、アパレル関係の事に携わる事で以前のような事に苛立つ事が少なくなった訳ではなく、アパレル関係の事に携わる事になってから道端に綾鷹のカンカラが落ちているのを見ていないだけなのでは中廊下。
試しに、綾鷹のカンカラを中廊下に放ってみた。すると。
中廊下に落ちている綾鷹のカンカラを見ても、全然イライラしない。まあ、捨てたのおれだし。
問題は解決しなかった。だからもう、御察しの通り、束子は、道端に落ちた綾鷹のカンカラを探す旅に出た訳さ、くっだらねー。
なんかもう、かなり早い時点で飽きた。なんつーか、ありがちな展開って言うかさ。こうなってくるとこの小説のなんだ、コンテストみたいなののお題の「青」ってのをけなしたことを謝りたくなってくる、発想が貧困だとか言っちゃったし…スミマセンデシタ…おれの方がよっぽど貧困デアリマス…あゝ。
なんかもう…疲れ切った私は綾鷹のカンカラを探すのをやめちゃって、ガールズバーへ。飲みたい気分だった。
「ありゃ? いらっしゃい、3年ぶり~~」
「おお、覚えててくれたの? 地味に嬉しい…」
「なんだよ地味って。派手に喜べよ~~コノコノ~~」
「いや、派手に喜びたいところなんだけど、なんか最近地味に疲れちゃってて…」
「なんかあったん?」
「んー。あったと言えばあった」
「なにがあったん?」
「なにって、ほんと地味な事だよ」
「はなしなよ」
「アパレル関係の事に携わる事になってから道端に綾鷹のカンカラが落ちているのを見ていなくてさ」
「え?」
「アパレル関係の事に携わる事になってから道端に綾鷹のカンカラが落ちているのを見ていなくてさ」
「どうゆう事?」
「アパレル関係の事に携わる事になってから道端に綾鷹のカンカラが落ちているのを見ていなくてさ」
「どゆこと?」
「試しに、綾鷹のカンカラを中廊下に放ってみたんだけど、効果はなかった」
「ちょっと何言ってるかわからない」
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