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「大丈夫。お前の事はわしが責任を持って面倒を見るつもりだから、今日からここでわしの子供達と暮らすんだ。それにしてもお前は桐野に似ず、頭の良さそうな綺麗な娘だね」
老人はそう言うと微笑みながら、桐花に触れた。
桐花は老人の部下である黒服の男に連れられ、屋敷内にある場所へ向かう。
その場所は扉があり、パネルがついていた。
黒服の男は、そのパネル押し、暗証番号を入力する。
それを見た桐花は、この場所のセキュリティーが厳重なのを理解した。
そして中へ入る。
そこにはあったのは狭い四角い箱の群れ。
壁や床は弾力のある柔らかな白い素材で出来ていた。
そう――白い部屋。
廊下も、灯りも白。
その部屋の中には何人かの女がいた。
皆、部屋の色と同じ白のワンピースを着ている。
桐花は狭い四角い部屋に入れられると、服を脱いでシャワーを浴びるように言われた。
部屋の中には、シャワー、トイレ、固定電話、ベットがあった。
シャワーの周りにはガラスの仕切りがあり、おそらく水が飛び散らないためのものだろう。
しかし、ガラスは透明なので外から丸見え。
そして桐花が服を脱ぐと、バスタオルを渡され、服を持って黒服の男は部屋を出た。
そうすると入ってきたところの天井からガラスが下りてきて、シャッターのように閉じられる。
このガラスも透明で、外から見て、隠れられるところはこの部屋にはなかった。
桐花は思う。
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