野球が好きだ！

野球少女

「甲子園に私を？」
　甲子園という言葉にときめいた。これは告白と言うやつなのか。私は暴投を投げて、山岡は走って取りに行った。

「個人的にさ、キャッチボールとか。ティーバッティングとかしてくれよ」
「うん」
「返事はYesってこと？」
　返事というのは告白の返事なのか、練習に付き合えということなのか悩んだ。
「私、山岡のこと好きになって、そんな気持ちでマネージャーやるのが野球に失礼だと思ってたんだ」
「馬鹿だな。それは関係ないだろう……え？」
「私は不器用なんだよ！」
「馬鹿だな！」
　山岡も暴投を投げた。遠くにボールが飛んで、校庭のネットに当たって勢いを落とした。