野球少女

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 野球が好きだった。見てるだけでも良いと思った。その頃マネージャーという役割がなかった野球部に乗り込み、頭を下げてマネージャーになった。そんな私を見る目は奇行なものだった。  女子からは男子目当てだと言われ、男子からもその気で見られていた。  特にソフトボール部からのいじめは酷かった。もちろんソフトボール部の皆がと言うわけではなく、一部だったけど。  そんな時に山岡という同級生は言った。 「お前、本気で野球好きだもんな。変な話しを聞くけど、負けんな」  私は初めて男子を好きになった。  山岡は次期 野球部部長だ。プレイも上手くて人望もあった。そんな山岡といられるだけでどきどきして、目で追ってしまう。  そんな自分が嫌いだった。  私は山岡にばれたくなかった。野球に対しても邪な思いを伴ったと思った。  三年の春に野球部も辞めた。
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