野球少女

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 ある日、体育祭の準備をしていた時、山岡と一緒になった。 「横田はさ、どこの高校受けるの?」 「私は北高」 「お前さ、ソフトボール部入れよ。きっと高校のソフト部だったら真剣にやってるやつばかりだし、うまいやつばかりじゃね?」 「……知ってたの? 私がソフト部辞めた理由」 「色々ルールとか違うけど、そこは努力してみろよ」 「ソフトボールを馬鹿にする気はないけどね、違うんだよ、野球と。初めてボールを握った時の感動が忘れられない」 「そうか。そうだよな。おまえ、マネージャーなのにコーチみたいだったもんな。一人ひとりにアドバイスしてさ。結構うまいから最初はアドバイスされてムカついてた奴らもおまえのこと認めてたんだぜ」  私は見ていてくれた事に感動したあまりに泣いてしまった。 「いや、なんで泣くか分かんねえし」  山岡は戸惑ったように言った。
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