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少しの沈黙が流れた。山岡はふぅと息を吐いて言った。
「じゃあさ、北高……俺も北高第一志望なんだよ。野球力入れてるし、強いから。だから北高でマネージャーやれよ。野球捨てんなよ」
「ダメなんだよ。それじゃあ、ダメなんだ」
私は逃げた。逃げたけど、私の手を山岡が掴んだ。
「何がダメなんだよ。野球、好きなんだろ? だから北高行くんだろ?」
おまえのことが好きだからダメなんだよ。私は心で叫んだ。
「野球に失礼だから出来ないんだよ」
私は精一杯の気持ちで言って、山岡の手を振りほどいた。トイレに行くと言って作業を放おって山岡から逃げた。
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