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 薬師の私がその運命的な出会いを果たしたのは、ある夏の日だった。薬草取りに出かけた私は崖の上から足を滑らせて落ちてしまった。落下の浮遊、木々の間から真っ青な空が見えて、絶体絶命。死を覚悟した。  しかし、私は生きていた。落下の衝撃はまるで水に飛び込むかのようだった。沈み込み青い水面に顔を出す。コプリと口から吐き出した液体はなんとも言えない味がした。 私は、川に飛び込んだのだと疑いもしなかった。しかし、その時だった。水面が動いたのだ。私をつつみこんだままそのなんらかの物体は動き、弾んだ。 それは、川と同化していた巨大なスライムだった。私は、そのひんやりとした巨体に包み込まれていたのだ。 私は恐怖した。スライムはもしかしたら、ここで生存競争に勝つために、眠っていたのかもしれない。武器を持たない人間など、溶かして食べられてしまうかもしれない。 スライムは、私を正真正銘の川の方に向かって放り投げた。景気良く水しぶきが上がる。私は溺れそうになって必死で手を伸ばした。 パシッとその手は掴まれる。そうして引き上げられて見たものは、どこまでも青い少年だった。 「ダイジョウブ、カ?」 「は、はい。スライム、さん?」     
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