第1章

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ベンチに座ってベビーカーから結羽を降ろした。 伝え歩きに毛が生えた程度の、おぼつかない1人歩きに俺たちは目を細める。 「結羽、パパの所までおいで!」 少し離れて芝生に座り、結羽に、おいでおいで!をした。 よちよちと俺を目指して歩いてくる。 手で上手くバランスを取りながら。 満面の笑みで俺にたどり着き抱きついた。 「やだ、パパの顔デレデレ!」 妻が吹き出す。 顔を引き締めようにも結羽の顔を見ると無理だった。 「パ………」 はっ? 今、何て言った? 結羽の顔を見ると 「パ………パ……」
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